英語と日本語の【言語的な違い】とそこから生まれる【考え方の違い】が気になりませんか?
この違いを知ることで英語のスピーキング力やライティング力にも役立ちますよ。
そこでこの記事では英語と日本語の違いについて徹底解説していきます。
記事の最後に両者の違いを意識しないと解けない英作文問題も用意しました。
この記事を読み終える頃には「英語と日本語の違いは英作文にも活かせる!」ということを身をもって体感していただけるかと思います。
英語と日本語の違いとは?【2種類の違いについて解説】
まず、英語と日本語の違いといってもそこには【言語的な違い】とそこから生まれる【考え方の違い】があります。
この記事では【言語的な違い】と【考え方の違い】の2つに分けてそれぞれ詳しくお話しします。
- 言語的な違い
- 考え方の違い
私自分の勉強法があってるのか心配でたくさん調べてたからさ。
でも確かに。正直勉強するのは大変で目を背けがちだけどさ、一番の遠回りはありもしない近道をずーっと探し求めて肝心の勉強に時間をかけないことなんだもんね
前置きが長くなりましたがさっそく英語と日本語の言語的な違いを見ていきましょう!
英語と日本語の言語的な違いとは?
さて、英語と日本語の言語的な違いとは何でしょうか?
まずは表形式で概要をざっくり見ていきます。
詳しくはすぐ後でそれぞれ1つずつ解説していきます。
英語 | 日本語 | |
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言語のタイプが違う | 主語優勢言語(しゅごゆうせいげんご)。 ざっくり言うと、必ず主語が動詞の動作を実際に行う主体になるということです。つまり主語と動詞が必ず対応しています |
主題優勢言語(しゅだいゆうせいげんご)。 「~は」は、主語を表すこともあるけど主題(トピック)を表すこともある。つまり英語と違って主語と動詞が必ずしも一致しません。 |
例:I’ll be swimming a lot in this summer. ↑実際に泳ぐ(swim)のは私なので「I」が主語です。右側の日本語の例文と比較してみると違いがなんとなく分かっていただけるかと思います (詳しくは後述します) |
例:「今年の夏はたっくさん泳ぐぞ~!」 ↑「今年の夏」自体に手足が生えて泳ぐわけではないので「今年の夏は」というのは主語というより主題を表しています。実際に泳ぐのは「私」ですので動作の主体としての主語は省略されています。(詳しくはすぐ後に解説いたします) |
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主語が必ず必要かどうかが違う | 基本的に(動詞に対応する)主語が必ず必要 | 主語がしょっちゅう省略される |
文全体での語順が全く違う | SVOやSVOCなど5文型に見られるように、【主語、動詞、目的語】の語順になる。つまり日本語と逆。 | 基本的に、【主語、目的語、動詞】の語順になる。つまり英語と逆。 が、語順に縛りはないので語順を自由に変えることもできる。例えば、SVOCに当たる文章でも「~を~に」でも「~に~を」でもどちらでも問題ない |
細部の語順も全く違う |
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時制の区分けが少し違う | 英語は基本的には、「現在形、過去形、未来形」で異なる形をとる。 | 日本語には、現在形と未来形の区別がない。文脈や「明日」「来月」などの単語によって未来を表す。 |
日本語だと過去形で表すところを現在完了形で表すことがある。 例: I’ve been studying for three hours and I’m tired. (詳しくは後述します) |
英語の現在完了で表す場合でも過去形のことがある。 例:「3時間勉強してたから疲れたよ」 |
英語と日本語では言語のタイプが違う
英語は主語優勢言語
英語は、主語優勢言語だといわれています。
これはざっくり言ってしまえば、主語と動詞が対応する言語のことです。
つまり英語では、基本的に主語は動詞の動作を実際に行う主体を表します。
「今年の夏はたっくさん泳ぐぞ!」
↑実際にswimするのは「私」なので主語は’I’
That movie moved me .
「あの映画は感動した(moveには[人]の心を動かす・感動させるという意味があります)」
↑英語では「感動する」ではなく「感動させる」という動詞を使うので実際に私を感動させた’that movie’が主語になります。
日本語は主題優勢言語
対して日本語は、主題優勢言語だといわれています。
これはざっくり言ってしまえば、動作の主体としての主語ではなく主題(トピック)に重きがある言語です。
例文を見た方が分かりやすいです。
言われてみれば「たしかに!」って感じかと思いますが、「今年の夏」自体に手足が生えて泳ぐわけではないですよね?実際に泳ぐのは「私」ですので動作の主体としての主語は省略されています。
つまりパッと見「今年の夏は」というのが主語っぽく見えますが、これは動作主としての主語ではなく主題(文章のトピック)を表しています。イメージとしては「今年の夏について話すよ!私はたくさん泳ぐよ!」みたいな感じです。
このように、日本語はそもそも「主語」という概念で考えるべきではない言語とも言えます。
つまり「~は」というのは単にトピックを表しているだけです。必ずしも英語での主語と同じになるとは限りません。
もちろん、動作の主体になることもあります。
例えば、「今年の夏について話すよ!私はたくさん泳ぐよ!」という文章での「私は」のように動作の主体になることもあります。が、意味的に判断しないとどれが動作の主体なのかは分かりません。
英語脳になるためのポイント
このように日本語での「主語っぽいやつ」は必ずしも英語の主語と同じにはなりません!
じゃあどうすればよいのか・・・?
英語を話すとき・ライティングするときは何よりもまず「英語だと動詞は何になるかな?」のようにまずは動詞が何かを考えるようにしましょう!
動詞が決まりさえすればあとはその動作を実際に行うもの(動作の主体)が英語での主語になります。
毎回「まず動詞は何か考える」というのを実践していれば、そのうちパッと主語動詞までまとめて言えるようになっていきますよ!
ぜひお試しあれ。
主語が必ず必要かどうかが違う
先ほどお話しした「主語優勢言語」「主題優勢言語」の話ともかぶりますが、主語が必ず必要なのか省略可能なのかというのも異なります。
英語は主語が必ず必要
英語は基本的に主語が必ず必要です。
そのため形式主語の「it」というのがあります。特に意味がないけど主語は文法上必要という場合にはitをつけることになっています。
例:It’s raining. 「雨が降っている」
例:It’s hard for me to understand what others are thinking.「他の人が何を考えているのか、自分にはなかなか理解できないんだ。」
もちろん例外はあります。
例えば「Thank you.」や「Sorry.」、「Got it.(分かった)」「Get it?(分かった?)」など定型的に頻繁に使うものでは主語が省略されることもあります。
また、命令文も主語が基本的に省略されます。(ちなみにですが、命令文は主語を明示的につけることもできます。例:You all sit down! 「お前ら全員座れ!」)
日本語は主語を省略可能
ご存じの通り日本語は主語が省略可能です。
というか日常会話ではむしろ省略しない方が不自然だったりしますよね。
例えば「すみません、あなたは写真を撮っていただけますか?」は不自然ですよね。他の人は撮ってくれなかったのかな、とも読み取れちゃいます。
文全体での語順が全く違う
SVOなど5文型を学んだ際にもお気づきかと思いますがやはり語順が異なります。
英語 | 日本語 |
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I ate a hamburger. 「私は、食べた、ハンバーガーを」 | 私はハンバーガーを食べた。 |
I bought a book that Bob had recommended. 「私は、買った、本を、ボブがおすすめしていたやつ。」 | 私はボブがおすすめしていた本を買った。 |
It’s important to read as many English books as possible if you want to learn English as quickly as possible. 「重要です、読むことが、できるだけたくさんの英語の本を、、もし身に着けたいなら、なるべく早く。」 | もしなるべく早く英語を身に着けたいなら、できるだけたくさんの英語の本を読むことが重要です。 |
ちなみにですが、英語を高いレベルで習得するにはどうしたらよいかお悩みですか?
第二言語習得論という研究分野では、3つ目の例文の言っているようにたくさんの英語に触れることが大切だとされています。
ただ、そこには読み方のちょっとしたコツもあります。その読み方のコツをなるべく早い段階で知ったうえでたくさん読んで慣れていくことが大切です。そのコツについては別の記事でお伝えしますね!
細部の語順も全く違う
日本語で英語の前置詞に相当するものは格助詞(「と」「に」「へ」「で」「が」「を」など)です。
日本語と英語とでは、文全体だけでなくこの細部の語順も逆です。
- with my family 「家族と(一緒に)」
- to Tokyo 「東京へ」
これは覚えなくてもよい補足ですが、参考までに。
- この英語のような語順のことをHead-initialといいます。
- 日本語のような語順のことをHead-fimalと言ったりします。
言語は基本的にこのどちらかになっています。ですので、日本語と英語をマスターすれば他の言語の習得も少し楽になるかもしれません。
英語脳になるためのポイント
この細部の語順に関しては語順の通りに理解できるようにする必要はありません。
つまり、「へ、東京」で理解できるようになる必要はありません。
かたまりで理解するようにすれば何の問題もありません。例:「東京へ=to Tokyo」
前置詞のイメージ的な使い分けを覚えて、あとはかたまりでとらえるようにしてたくさん読んでいれば段々と慣れてきてスピーキングの時でもスラっと出てくるようになりますよ!
時制の区分け方が異なる
時制って、超大きく分けると過去、現在、未来がありますよね?
でもいったん立ち止まって日本語のことを考えてみてください。
「あれ?日本語って現在形と未来形が同じだッッッ!!!」
そうなんです。日本語って未来形と現在形の区別がないんですね。
じゃあ何で区別しているんだ?「今日」とか「明後日」とか日時を表す言葉によって区別しています。
日本語は他にも進行形と完了形が同じです(「あそこに立っている人(進行形)」「かれこれ5時間はあそこに立っている(完了形)」)。
ちなみにですが、インドネシア語なんて過去も現在も未来も全部同じです!!(笑)
英語と日本語とでは考え方が違うってマジ!?
(※考え方についてはもちろん個人差はあります)
考え方の違いを知ると英作文やスピーキングの能力も良くなる
「そもそも英作文やスピーキングに考え方だったり世界の見方(視点)って関係あるの?」と思うかもしれません。
しかし!大いに関係あります!
むしろこれを理解していないからこそ英語が苦手・なかなか英作文やスピーキングが上手くできるようにならないといっても過言ではありません。
つまり、今理解してしまえば英作文やスピーキングの上達スピードが格段に上がります。
これからお話しする内容は、それほど重要なのにもかかわらず誰も教えてくれないことが多い、超有料級な秘訣でもあります。ですので今お金を払って読んでいるくらいの意識で読んでいただけたらあなたの英語ライフが180度変わるかもしれません。
英語と日本語の考え方の違い
では表形式で確認してみましょう。
英語 | 日本語 | |
---|---|---|
違い | 客観的に世界を表現する | 基本的に自分か相手の視点から世界を表現する |
例 | Yeah! That’s a great movie that made me crying a lot! 直訳:うん!あれは素晴らしい映画だよ!それは私をたくさん泣かせたよ! ↑『神様視点』で世界を表現していることに注目! |
うん!あれは素晴らしい映画だと思う!私めっちゃ泣いちゃったもん。 ↑『私視点』で世界を表現していることに注目! |
違いが出る理由 |
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日本語は、誰が見ても意味が分かるのにわざわざ主語をつけるなんてむしろ不自然ですよね。
しかし英語は、形式的でも主語をつける必要がある言語なんですね。
さぁ、これを理解したうえで!ここからがとても重要です!
英語が苦手になる人と得意になる人の違いとは?
英語が苦手になる人 | 英語が得意になる人 |
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英語の習得において重要なのは2つです。
- 日本語の視点はいったん捨てて、客観的な視点から考える!
- 客観的に見て主語動詞は何になるかを考える!特にまず動詞は何か考えれば主語も他も全て決まる!
- 客観的な事実を表現できていればどんな言い方だろうと自然な英語!(どの言い方が正しいかとかを考える必要はない)
- 日本語の語順に変換するのをやめて、英語の語順のまま日本語を使いながら理解できるようになる!
- (つまり、日本語の方を英語の語順にして理解できるように特訓しましょう!という意味です。
「私は弾いた、ピアノを」のような読み方を関係代名詞だろうと何だろうとやるということです。)
- その読み方を継続していくことで英語のまま日本語を介さずに理解できるようになっていきます。これは私が実際にそうなっていますので効果抜群です。
- (つまり、日本語の方を英語の語順にして理解できるように特訓しましょう!という意味です。
英語と日本語の違いを意識して実際に英作文の練習をしてみよう!
これまで英語と日本語の違いを学んできました。
せっかくですので、違いを意識しながら実際に英作文の練習をしてみましょう!
記憶が新鮮なうちに試しにやってみましょう!
(難易度は高めです)
- 問題1:「誕生日プレゼントに父からエレキギターをもらいました。」
- 解答例:I got an electric guitar from my dad as my birthday present.
解説:「まずは動詞を考える」でした。動詞は「もらった」ですが、客観的に考えるとゲットしたということなので、I got an electric guitar までいけます。
残りは後ろから付け足していきます。誰からもらったか?from my dad。
「プレゼントに」は客観的に考えると「プレゼントとして」ということなので、as a present でOKです。
- 問題2:たぶん他の人に見られたくないものもあるでしょう。
- 解答例:Maybe there would be something she doesn’t want others to see.
これは難しい問題です。答えられなくても全然OKです。ここで理解することで成長していくことが大事です。成長にフォーカスしていきましょう!
この問題には客観的な視点が必要です。まず動詞は?と考えると「~がある」なのでthere isの構文が使えそうです。「~でしょう」なのでwouldを使って、There would be。
「他の人に見られたくないもの」というのが難しいポイントですよね。とりあえず「もの」なのでthingsかsomethingと言ってしまいましょう。 「他の人に見られたくない」というのは、「他の人が見ることを欲しない」ということなので、she doesn’t want others to seeです。(主語は問題にないですので何でもいいです。)
以上です!お疲れさまでした!
まとめ
今回は英語と日本語はどこが異なるのかを見てきました。
大ボリュームなので消化不良だと思います。
超ざっくりまとめます。
- 主語の特徴自体が異なる!
- 語順が全然違う!
- そういう言語的な違いや文化的な違いから視点や考え方も異なる!
英語の学習って大変ですよね。
長期的な学習になるので「復習」が大切です。逆に言えば復習さえすれば覚えようとしなくとも覚えられますよ!
今回の記事の特に最後の問題に関しては一度睡眠を挟んでからあとでもう一度解いてみることをオススメします。
interleaving sleepといって、睡眠を挟むことで記憶の定着がアップするという研究があったり、spacing effectといって復習の間隔を開ければ開けるほど長期記憶の保持力が高まるというという研究もあります。
それらについても記事をアップしていきますのでよかったらブックマークしていただけたら嬉しいです!
凪野(なぎの)です! 記憶力が無くて「自分は頭が悪いんだ」と思ってますか? 記憶力を良くできるなら良くしたいですか? この記事で紹介してることを実践すれば、ちょっぴり記憶力が良くなります! 実際、[…]